書評『1秒でつかむ』高橋弘樹著を読んだ感想|テレ東『家、ついて行ってイイですか?』で「Let It Be」が流れる理由

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テレビ番組『家、ついて行ってイイですか?』、『吉木りさに怒られたい』、『世界ナゼそこに?日本人』などを手がけるテレビ東京ディレクター・高橋弘樹さんが1秒でつかんで最後まで離さない伝え方の全技術を書籍『1秒でつかむ 「見たことないおもしろさ」で最後まで飽きさせない32の技術』で公開!

『1秒でつかむ』は502pもありながらサクッと楽しく読めてしまう編集の仕掛けが満載。

YouTube、テレビ、Netflix、Twitterなど多種多様なコンテンツが氾濫する現代においてPR・広報・営業・企画・メディアに携わる人間が意識すべきことが詰まっています。

著者が言うように「1秒単位で消費者の気分と向き合う時代が来た」現代において必読の1冊です!


1秒でつかむ 「見たことないおもしろさ」で最後まで飽きさせない32の技術
タイトル:1秒でつかむ 「見たことないおもしろさ」で最後まで飽きさせない32の技術
著者:高橋弘樹
出版社:ダイヤモンド社
発売日:2018年12月
ISBN:9784478106471


『1秒でつかむ』は紙の書籍で読むのがオススメ

1秒でつかむ

Kindle本などの電子書籍と紙の書籍ではそれぞれに良いところ、悪いところがありますが、『1秒でつかむ』は紙で読むことをオススメしたい書籍です!

502pもありながらパラパラとめくりやすい「紙質」、iPhoneやKindleでは味わえない「見開きを想定したレイアウト」があるからです。

「紙質」と「レイアウト」が視線を誘導してくれる重要箇所の「太字&見出し」、適宜挿入される「図表」と相まって最高の読書体験を味わえる1冊に仕上がっています。

編集者・今野良介さんは「kindleで味わえない「見開き」や「余白」にもこだわっていろいろやってみました。」とTwitterでリプライをくれました。今野さんのこだわりや紙の書籍のあり方について、機会があればぜひ聞いてみたいものです。

『1秒でつかむ』の「おわりに」には編集者の今野さんが著者の高橋さんに送ったメールが掲載されています。どのようにコンタクトを取り、思いを伝えたかを知ることができます。

1. 視線が自然と動く読みやすいレイアウト

デバイスのサイズや設定によって改ページの箇所が変わってしまう電子書籍。

文字サイズや行間を好みに合わせて変更できる利便性は紙の書籍に優っているところでしょう。

しかし、『1秒でつかむ』は紙の書籍で読むことをオススメしたいのです。

なぜなら「文字サイズ」、「太字」、「見出し」から「余白」に到るまでこだわりを持って構成されており、情報が入って来やすいように最適化されているからです。

たとえば、各項の見開き1p目には「この項は…」とどんな人にオススメの内容か明示してあり自分に必要な情報かを判断することが可能です。

2. パラパラめくれる紙質で検索性がアップ

紙質、製本もパラパラと気持ち良くめくることができるようになっているので、後から読み直す時や気になる箇所だけを速読する際にサクサク読み進められます

3. 絶妙な箇所に挿入される図表で視覚的に理解できる

ページ単位ではなく「見開き」の状態で見たときに最大限に効果を発揮するように、最適な場所に絶妙に挿入される図表や見出しで理解を助けてくれます。


冒頭、1秒で「惹きつけられ」、途中、1秒も「飽きず」、最後、1秒も「ムダじゃなかった」と思える書籍

肝心の内容ですが、1秒でつかんで話さないコンテンツの作り方のコツが5章に分けてわかりやすく紹介されています。

『1秒でつかむ』と題しているわけですから、この書籍自体が1秒でつかんで、離さないような内容になっています。

PR文にあるように「冒頭、1秒で「惹きつけて」、途中、1秒も「飽きさせず」、最後、1秒も「ムダじゃなかった」と思ってもらう」書籍です。

千利休式「引き算」力、親鸞式「ネガティブLOVE」力などおもしろい企画を考えるためのノウハウが満載

1秒でつかむ

第1章では新ジャンル開発力、千利休式「引き算」力、親鸞式「ネガティブLOVE」力など、内容が気になるおもしろい企画を考えるための項目が満載です。

そんな中個人的になるほどと思ったのは終盤の全部ひとり力、ルーティン本気力です。

楽な道を選びがちなところで立ち止まって考えることの大切さ、一見地味な仕事やルーティンワークでも常に思考を巡らせながら取り組むことの重要性を再認識させられました。

ストーリーを伝える技術にフォーカスした第2章、第3章

1秒でつかむ

第2章ではコンテンツの魅力を引き出すためになぜ「ストーリー」が必要なのか?、第3章ではより多くの人にストーリーの魅力を伝える技術など「ストーリーテリング」に焦点を当てた内容となっています。

特に第3章では「ストーリー」を伝える上で知っておくべき技術が紹介されています。

めんどくさい撲滅力で「人間はめんどくさいことが大嫌いなんです」と書かれていますが、まさにその通りです。

私はウェブメディアで日々大量に送られてくるプレスリリースに目を通していました。

限られた時間の中で多くの記事を手がけなければならないわけですから、記事化するのがめんどくさいプレスリリースは検討するにも値しないのです。

PR・広報担当者はメディアのめんどくさいを撲滅しなければプレスリリースの記事化が実現しないということです。

1秒でつかんだ相手を離さない技術、さらに深く食いこむための技術

1秒でつかむ

第4章では1秒でつかんだ相手を離さない技術、第5章ではさらに深く心に刺さる「深さ」の作り方が紹介されています。

中でもキャッチーな項目でありながら内容は深いのが「東野圭吾力」です。

大雑把にまとめると何事にも「なぜ?」と耳を傾けることが重要だということが書かれています。

『家、ついて行ってイイですか?』では市井の人が語る人生、境遇に「なぜ?」と耳を傾けます。

「なぜ?」と疑問を持ち探っていく事で、人間誰しもが抱えている感情や想いに行き着くのです。

そして最後には「あるがままに」とエールを送るためにビートルズの“Let It Be”が流れる訳です。

ちなみに“Let It Be”はポール・マッカートニーの作詞作曲の楽曲。ビートルズの末期にバンドが分裂しつつあるとき、亡き母メアリー・マッカートニーがポールの元にやってきて「あるがままを あるがままに 受け容れるのです」と伝えてきたことから作られた曲です。

ザ・ビートルズ – レット・イット・ビー

「“Let It Be”だ。いい曲だな」、「なんだかよくわからないけど感動的だな」などと思っているだけでは番組を100%楽しみきれていないと思いませんか?

漫然と受け流しがちなTVから発信される情報ですが、企画の意図、制作側の想いを考えながらTVを見れば受け取り方が変わってくるのかもしれませんね。

丁寧に作られた書籍『1秒でつかむ』で最高の読書体験を!


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