書評『FACTFULNESS』ハンス・ロスリング著を読んだ感想|オバマ、ビル・ゲイツもオススメする正しく世界を見るための10のポイント

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FACTFULNESS

ハンス・ロスリング(Hans Rosling)著の書籍『Factfulness』が2019年1月に日本語訳書『FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』として出版されます。

AmazonのKindleストアでNonfiction Economicsカテゴリーの売れ筋ランキング1位にランクインするなど注目を集めている書籍1冊です。

日本語版翻訳書の出版を前に英語版の原書を読んだ感想・書評を2017年に死去したハンス・ロスリングの経歴と共に日本語版出版に先駆けてご紹介します。


FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

タイトル:FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
原題:Factfulness: Ten Reasons We’re Wrong About The World – And Why Things Are Better Than You Think
著者:ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド
出版社:日経BP社
発売日:2019年1月11日/2019年1月1日(Kindle版)
ISBN:9784822289607


ハンス・ロスリング 経歴/プロフィール

スウェーデン出身の医師、公衆衛生学者のロスリングはスウェーデンのウプサラ大学で医学と統計学を学び、さらにインドで公衆衛生学を学んでいます。

アフリカの僻地における疾病のアウトブレイクについての研究で実績を残し、その後もアフリカ、アジア、ラテンアメリカ地域における経済、開発、農業、貧困、衛生などの関係性に焦点をあてた研究を行ってきました。

2005年には『Factfulness』の共著者で息子のオーラ・ロスリング、その妻のアンナ・ロスリングとともにギャップマインダー財団(Gapminder Foundation)を設立。

事実に基づいた世界を実現することを目的として設立された団体で、統計情報を視覚的にみることのできるソフトウェアTrendalyzerを開発。2007年にはGoogleがこのソフトウェアを買収し、その後Googleスプレッドシートなどでも利用できるようになっています。

『Factfulness』の序文にも登場しますが、ハンス・ロスリングは剣飲み達人として知られておりTEDに出演した際にも剣飲みを披露しています。

ハンス・ロスリングは貧困に対する新たな洞察を示します

ハンス・ロスリング TEDでのプレゼンテーションが話題

TEDトークのプレゼンテーションでは統計、貧困、公衆衛生に関するプレゼンなどを行なっており、 YouTubeで公開させている一連の動画は累計3500万回再生を突破しています。

TEDでのプレゼンテーションと書籍の冒頭でも出題される世界の貧困に関する意外と知られていない事実に関する問題ではスウェーデン人、TEDの会場にいる観客よりもチンパンジー(ランダムな回答)が高い正解率を記録。

メディア関係者を含む多くの人は知らず知らずのうちに先入観を持ってしまっており、世間の人々が正確に世界の事情を理解していないということを冗談を交えながら語っています。

ここで書籍やTEDで紹介されている正答率の低い質問を1つ紹介します。

皆さんは正解できるでしょうか?

Q. 世界の1歳児で麻疹のワクチン接種を受けている割合は?
A. 20%がワクチン接種を受けた
B. 50%がワクチン接種を受けた
C. 80%がワクチン接種を受けた

気になる正解はYouTubeで公開されている動画『ハンス&オーラ・ロスリング: 世界について無知にならないために』(7:00〜)、書籍で確認してみてください。

TEDでのプレゼンテーションは字幕をオンにすると日本語字幕付きで視聴できるので『FACTFULNESS』に興味を持った方は書籍への導入としてこの動画の視聴をオススメします。

今回紹介した他にも、貧富の格差は拡大しているのか? 自然災害で亡くなる人は増えているのか? など実は全く正反対に捉えてしまっていることが多くあるのではないでしょうか? 

ジャーナリストですらロスリングの質問にほとんど正解できないわけですから、日々のニュースにも当然バイアスがかかっている訳です。

つまり普段多くの情報を様々なメディアを通じて浴び続けている私たちは意図せず先入観を築き上げてしまっているのです。

ハンス&オーラ・ロスリング: 世界について無知にならないために

バイアス(思い込み・先入観)を乗り越えるための10のポイント

『FACTFULLNESS』ではバイアス(思い込み・先入観)を乗り越えるために認識しておくべき人間の10つの「本能(Instinct)」が各章で示され解説されています。

共著者のオーラ・ロスリングはTEDで「ねじ曲げられた情報+先入観』が誤解を生むと説明しています。

このバイアスがかかりがちな10の本能をを心の片隅にでもとどめておくことで、日々浴び続けている情報の誤りを自分の中で修正したり、自身の先入観を打破したりする助けになるのではないでしょうか?

『Fatfulness』の目次
第1章 分断本能 「世界は分断されている」という思い込み
第2章 ネガティブ本能 「世界がどんどん悪くなっている」という思い込み
第3章 直線本能 「世界の人口はひたすら増える」という思い込み
第4章 恐怖本能 「実は危険でないことを恐ろしい」と考えてしまう思い込み
第5章 過大視本能 「目の前の数字がいちばん重要」という思い込み
第6章 パターン化本能 「ひとつの例にすべてがあてはまる」という思い込み
第7章 宿命本能 「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
第8章 単純化本能 「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
第9章 犯人捜し本能 「だれかを責めれば物事は解決する」という思い込み
第10章 焦り本能 「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み
第11章 ファクトフルネスを実践しよう

ビル・ゲイツ、バラク・オバマ前アメリカ大統領も大絶賛のコメント

マイクロソフトを創業して現在は慈善活動家としてビル&メリンダ・ゲイツ財団なども運営するビル・ゲイツや前アメリカ合衆国大統領のバラク・オバマらも『Factfulness』絶賛しています。

「名作中の名作。世界を正しく見るために欠かせない一冊だ」 ビル・ゲイツ

「思い込みではなく、事実をもとに行動すれば、人類はもっと前に進める。そんな希望を抱かせてくれる本」 バラク・オバマ前アメリカ大統領

気候変動、分断の世紀、貧困などセンセーショナルな見出しが並ぶ中、個々人が世界を正しく見て、ファクト(事実)をしっかりと認識することで世の中が変革していく可能性を秘めた『FACTFULNESS』。

分断の時代に世界を正しく見つめるためのヒントを与えてくれる1冊です。


日本語版も発売され書店の店頭ランキングでも上位に続々とランクインしている『ファクトフルネス』。必読の1冊になりそうです。

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